今年もイエシロアリの羽アリが発生する時期となりました。雨上がり等の蒸し暑い夜に発生し、光に集まります。シロアリはゴキブリの親戚なので、狭いところを通り抜けるのはお手の物です。締め切った室内にもいつの間にか入り込んできます。蚊やハエなどが餌を求めて飛来するのとは違い、シロアリの羽アリの飛来は子孫を残すことが目的の行動です。鮎や鮭がどんな困難も乗り越えて生まれた川を遡上するのと同様、羽アリもどんな困難も乗り越えて光の下へ集まろうとしますので、虫除けなどの処置をしていてもお構いなしに飛来します。少しでも飛来を減らしたい場合は、上記の条件(湿度が高く、ムシムシと暑い夜)が揃いそうな日には、なるべく外部に光が漏れない様にカーテンや雨戸を閉めるなどの対策をすると良いと思います。建物に羽アリが飛来しても、シロアリ予防をしっかりしてあれば心配いりませんが、そうではない場合、ペアになった羽アリが床下や敷地内の地下に潜って巣を作る可能性がありますのでご注意ください。
なお、羽アリの羽根は一度ある程度の距離を飛ぶと、取れてしまう使い捨てのものです。そう考えるとやはりペアになる為に光の下に集まろうとする執念(本能)が相当なものだというのも頷けるのではないでしょうか。なぜなら1度しか使えない片道切符ですから。
羽アリはペアになったらすぐに安全な地中に潜ろうとしますので、翌朝には嘘の様にいなくなります。もしかしたら掃除中に、ペアになれず生存競争に敗れた羽アリの死骸を見つけることがあるかもしれません。またとれた羽根だけが室内に落ちているかもしれません。少しだけなら心配いりませんが、それが大量に落ちている場合は要注意です。室内で発生した羽アリが明るいところ(外の明かり)に飛来しようとして玄関や窓際に集まっていた形跡かもしれません。心配な場合は専門業者に調査の依頼をされることをお勧めします。